色彩トピックス

” 暮らしを愉しくする色のあれこれ ”

 

色彩検定®3級で学べるカラーコーディネートの知識

  • 作成日:2020/08/27

  • 更新日:2021/12/29
  • 色彩検定®の2020年度冬期試験が11月8日(日)にあります。申込期限が10月8日(木)とまだ一カ月半ほど時間がありますので、受験しようかどうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。


    色彩検定®は3級は色彩学、色彩心理に関する基礎、2級は色彩学、色彩心理に関する実用的な知識を学習することができる内容となっています。


    1級は専門性が高くなり、色彩を科学的に解明していきたい方、照明など光学分野を研究したい方、色彩を指導する立場を目指す方やカラーデザイナー、カラーコンサルタントを目指す方が必要とされる知識を学習することができる内容となっています。


    ファッションやインテリアなどのカラーコーディネートを学習したい方は、まずは3級、そして2級を受験することでカラーコーディネート力を身につけることができます。そしてカラーコーディネートは毎日色に触れて、色を発することを積み重ねることで、次第に思い通りの配色で楽しむことができるようになります。

     
    カラーコーディネートに唯一の正解はなく、さまざまなシーンにおいて馴染んでいるかどうか、心惹かれるかどうかがポイントです。色には「むら」や「ゆれ」があり、その時、その場面、その状況によって評価が変わります。


    トレンドもそのうちの一つ。そのためにシーズンが始まる前に”今年のトレンドカラーはこの色です!”、”このイメージです!”と断定的に決定されているわけではなく、社会全体や消費活動の雰囲気によって、”よいイメージ”、”時代になじむカラー”が選ばれてトレンドになっています。


    そういったTPOや社会背景、そして色彩心理の要素をプラスしてカラーコーディネートが出来上がりますが、その基本を理解するうえで色彩検定®3級や2級はとても役に立ちますよ。
    カラーコーディネートを学びたい方へ
    カラーコーディネートをはじめて学習される方には「色相とトーン」の学習ををお勧めしています。色相とトーン(明度、彩度によるグループ区分)をしっかり理解できていると、さまざまな配色技法やスタイルイメージに使われている色がどのような構成になっているのかを捉えることができます。


    これはファッションやインテリアだけではなく、ウェブデザインやプレゼンテーション資料などにも共通です。
    色彩検定®3級で学べるカラーコーディネートの知識
    色彩検定®の出題範囲は、大まかに分けると①色が見える理由などの科学的な内容、②色がどのように作用しているかという視覚的・心理的な内容、③色の三属性(色相・明度・彩度)とそれらをもとにした配色技法に関する内容、④ファッション・インテリアに関する内容となっています。


    各級はそれぞれの分野で難易度を設けた内容となっていて、特に3級は基本的な内容、2級は3級の知識をもとにしたより実用的な内容になっています。





    各分野の中で③と④がカラーコーディネートのポイントになります。3級の③の内容ではPCCS(日本色研配色体系)を軸に、色相とトーン(明度と彩度でグループ分けしたもの)を使って配色を理解することができます。そして④ではその内容を踏まえながら、ファッションやインテリアのコーディネート例を理解することができます。
    色相とトーンを軸にした配色
    PCCSについてはこちらのページに詳しく掲載していますのでご覧ください。 カラーコーディネート、色彩調和にはいくつかのポイントがありますが、その中に「秩序の原理」というものがあります。簡単に言えば、PCCSなどの表色系で「規則的に選ばれた色は調和する」という考え方です。


    PCCSトーン概念図


    色相とトーンを軸に考えると、同一色相、隣接色相・類似色相、中差色相、対照色相、補色色相の配色方法や、同一トーン、類似トーン、対照トーンの配色方法が挙げられます。


    お店やセットショップで商品を選ぶときに「持っている服やアイテム」と「欲しいな~と思う服やアイテム」の色の関係を上記のような配色の視点で見てみると色を選びやすくなりますよ。
    ファッション
    色彩検定®3級の知識でファッションのカラーコーディネートを捉えるとこのような感じになります。
     
    浴衣の地の紺色と柄の花の紫色は類似色相配色で統一感と若干の変化があり、帯の黄色は紺色と補色色相でメリハリがあってポップな印象になる。
    女性のインナーとアウターはペールトーン、ライトトーンに近い同一トーンでまとめられていて、女性的で優しい、軽やかな印象になっている。帽子の紺色はダークトーンで可愛いだけでなく落ち着いた大人の雰囲気を演出している。
    インテリア
    色彩検定®3級の知識でインテリアを捉えるとこのような感じになります。
     
    赤系の同一色相対照トーン配色で、穏やかなコーラルピンクのイメージがよく伝わる配色。濃淡配色でメリハリと落ち着きのバランスがある。
    暖色系を中心とした類似色相配色。テーブルやソファには彩度の高い赤がアクセントカラーになっている。


    このように色相とトーンを理解してファッションやインテリアに当てはめると、どのような色が使われているかを言葉で説明ができるようになり理解が深まります。カラーコーディネートをこれから学びたいという方は、ぜひ「色相とトーン」を押さえてくだいね♪
    ライター・編集者

    カラーオン Mitsuru

    カラーコーディネーター

    自転車店勤務時代にウェブデザイン・チラシデザインの制作、オリジナルデザイン自転車(TVドラマでも使用)の企画を担当したことから色彩の世界へ。 「色彩が社会を元気にする!」をモットーに、多くの人が色・コーディネート・デザインを楽しめるようにコンテンツをご提供しています。
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