【辻野帽子店】さん、おしゃれな帽子が店内にいっぱい♪

作成日：2020/07/29

更新日：2021/12/29

川崎駅前新川通り沿い、駅を背にしてアーケードの下を歩いているとディスプレイに帽子が並んだお店があります。外から見ても帽子の展示数が多いことがわかり、ファサードの右手に目をやると、有名人の色紙やYouTubeの紹介があり、面白そうなお店だなと思い入店しました。

迎えてくださったのはハット姿に黒縁メガネをかけた店長の辻野さん。優しい物腰で帽子について話をして下さいます。小生が帽子について詳しくなく、これまで買ってはみたもののなかなか被る機会を得れず、といった感じでしたので少し帽子についてお伺いしました。

帽子はサイズが大切。

似合う帽子がわからない小生に辻野さんは優しく教えてくださいます。

「服にいくつかのサイズがあるように、帽子にもサイズがあります。身体に大きいサイズの服を着るとダボっとしてだらしなくなりますよね。帽子にはSサイズ、Mサイズ、Lサイズがあって、頭の大きさに合わせて選べるようになっていますよ」

なるほど、野球帽の後ろにアジャスタがついた帽子は持っていましたが、ハットとなるとそのことをすっかり忘れていました。まず第一にサイズが大切ですね。

サイズのことは分かったのですが、似合うかどうかってどうやって見分けるのでしょう･･･

「一番いいのは自分の好きな服装でお店に来てもらうことです。そうしたら、似合う帽子を提案させていただきますよ。」

辻野帽子店さんは1930年代に創業し、すでに80年以上が経過、店長の辻野さんで4代目の老舗帽子店。紳士用、婦人用の帽子を多数展示されていて、多様なお客様がいらっしゃることは想像に難くないのですが、だからこそその人に似合う１つの帽子を提案する丁寧な接客を大切にされています。

「一つのものを長く大切に使ってほしいですね。インターネットでも販売をしていますが、一度は店頭に来ていただいて似合う帽子を選んでいただきたいです。」

”一つのものを長く大切に使ってほしい”。以前自転車店でお客様に合わせてカスタムメイドの自転車を販売していた小生はこの言葉に弱く、一気に（そして勝手に）親近感が湧いてしまいます。専門家のお話を無料で聞ける、お店で店員さんとお話ができることはありがたいことですね。

「女性はシルエットを意識しながら似合う帽子を提案します。男性もシルエットも大切ですが、それよりも全体のスタイルで提案することが多いですね」

男性と女性でもポイントは異なるようです。辻野さんの優しい口調の説明はとても分かりやすく、質問がどんどん出てきてしまいます。

今のシーズンは「パナマハット」

お勧めの商品は何か尋ねると、今のシーズンは「パナマハット」とのことで、いくつか見させていただきました。

「パナマハットは南アメリカのエクアドル・コロンビア産の ”トキヤ” で作られたものをいいます。似た素材で作られた帽子もありますがパナマハットとは言わないんですよ。」

店内の説明書きにもそのように書いてあります。合わせて（帽子の山の部分（「クラウン」）にはまるでそこを持ってくださいと言わんばかりの「つまみ」がありますが）、つまみは持たないでください、型が崩れたら･･･と書かれています。あの「つまみ」の部分は型入れされていて、その形を楽しむのが帽子のおしゃれの一つということです。帽子は「つば」を持って被る、それが流儀です。

受注生産

辻野帽子店さんは販売店で、メーカーさんは別にいらっしゃるとのことです。昔は帽子店がたくさんあり製造・流通・販売まで盛んでしたが、今は数が減り、手作業で帽子を製造されているメーカーさんも少ないようです。

「ブランド品を扱っていないので、値段の違いは質の違いですよ。編み方が細かくなればなるほど滑らかで上質な帽子になります。職人さんがそれだけ時間をかけて作るので値段もあがります。」

辻野帽子店さんオリジナルのパナマハットもありますが、お客様のご要望に合わせて帽子を企画し、メーカーさんにオーダーしているとのことです。自分に似合う上質な帽子を末永く愛用する。それが本当に粋な格好よさなのかもしれませんね。

辻野帽子店さん情報

辻野帽子店さんのサイトを覗いてみると、「帽子の豆知識」と題して帽子の選び方、頭のサイズのはかり方、正しいハットの被り方、お手入れの仕方などが解説されています。オンラインショップには多数の商品が展示されていますよ。